2045年問題について

シンギュラリティとは

身近な生活に人工知能は関係なく、相変わらずアナログな日々を送るつもりでも、いつの間にか生活範囲に入り込んでいるのが人工知能です。
分かりやすいことなら、お掃除ロボットは、すでに人工知能を搭載した家電というわけです!

それを知ると人工知能とは、自分たちの生活に予想以上に近いところに存在すると理解できます。

つい人工知能に対して入り込んでいるという意識が働くように、どこか人工知能に対して脅威を感じている意識について、シンギュラリティと称され、日本語でなら技術的特異点だそうです。

つまり人工知能が、いつか人間の能力を超えるのではないかと不安視されることで、その進化によって後戻りできないことへの虞が、まさにシンギュラリティということになります。

ついSFの物語で、発達した人工知能により、人間が支配されてしまう未来が描かれますが、その状況が、きっとシンギュラリティという思いが作り出した世界観でしょう。

さすがにそうなると、シンギュラリティと自分の生活を結びつけるのは、まだ難しいレベルです。

 

2045年問題とは

シンギュラリティによる人工知能に対する脅威とは、果たしてどのくらい信ぴょう性があるのか。
それさえも、ごく一般的な生活レベルであれば、まったく想像がつきにくい事態になります。

人工知能に対する専門家の説になりますが、シンギュラリティについて2045年問題というものが唱えられるそうです。

だいたい今の時代から、さらに30年後に迎えるであろうと予想される近未来への不安ですが、それが2045年問題としてシンギュラリティは現実化するのではないかと。

つまり人工知能の発達により、今後もし人工知能が人間の能力を超えることが考えられるとすれば、それは2045年ではないかとみられます。

その年代を境にして、人工知能は人間の領域を超えた人工知能を自ら作り上げてしまい、それを人間が止められなくなるというものです。

さすがに、2045年問題とされるものがSFの世界に感じられてしまいますが、シンギュラリティとしては、それなりに信憑性のある課題として、専門家には考えられているようです。

 

急速に変化する収穫加速の法則

多くの科学者や数学者などによれば、技術の進歩の速さは加速度的に進んでいくといわれています。

そして、加速度的に進む技術の速さを、より多角的に考えたのが『The Singularity Is Near:When Humans Transcend Biology(シンギュラリティは近い/人類が生命を超越するとき)』の著者であるレイ・カーツワイルです。

カーツワイルは「シンギュラリティ」と呼ばれている技術的特異点は、人工知能だけで起こることではなく、遺伝子工学やナノテクノロジー、さらにはAIを示す「ロボティクス」などがそれぞれ進歩することによっておこると予測しています。

「収穫加速の法則」と呼ばれるこの法則は、進化の過程を示す指数関数曲線となりますが、ある地点を境に急激に上昇するような形となります。

 

収穫加速の法則の例

たとえば、中世の時代、グーテンベルクによる活版印刷機が発明されると、それに付随して製本術や識字力の向上という進歩が見られました。
そしてそれらの進化は、ルネサンスや宗教改革、科学革命といったさまざまな分野に絶大な影響を及ぼしていったのです。

時代こそ違えど、活版印刷の発明などは、この当時のシンギュラリティと言っても過言ではないのかもしれません。
カーツワイルの収穫加速の法則を、コンピュータ市場において理論化した「ムーアの法則」と呼ばれるものがあります。

ムーアの法則によれば、ひとつの集積回路の中に組み込むことができるトランジスタの個数は18ヶ月ごとに2倍になるといいますが、それに対してトランジスタを詰め込める量には物理的な限界が訪れるはず、という反論があります。

しかし、現在では、従来の集積回路にかわりチップが垂直に積み上げられる3Dプロセッサチップというものも開発されており、3Dトランジスタなるものも生まれています。

これは、ムーアの法則によって描かれた進化の法則が、コンピュータ市場だけでなく製造に関わるさまざまな分野の進化があったからこそ実現することができた「収穫加速の法則」的な技術の進歩ということができます。

 

暮らしを変える技術の進化

私たちの生活は、技術の進歩によって日々少しずつ変わっています。

ケータイ電話の普及などは、その良い例で、かつては待ち合わせをするのも一苦労だったものが、最近では連絡を取りたいときにいつでも連絡が取れるようになり「いまここにいるから、暇だったらおいでよ」というような待ち合わせ(?)の仕方も簡単にできるようになりました。

やや大げさすぎるかもしれませんが、ケータイ電話の普及という変化は、私たちの交際の仕方も変化させたと言えるのではないでしょうか?

このように、技術の進歩というものは、時に私たちの暮らしや社会の仕組みを大きく変える可能性を秘めています。

 

トランジスタと脳細胞

1965年、インテルの共同創業者であるゴードン・ムーア氏が発表した論文は、技術の進歩によって社会が大きく変わるであろうことを示唆するものとしてIT業界などではよく知られている理論です。

「ムーアの法則」などと呼ばれるこの理論は、パソコンなどの部品として欠かせないマイクロプロセッサの性能は、18~24か月ごとに2倍の性能に進化しているということを指摘しています。

マイクロプロセッサの内部はトランジスタによって構成されており、トランジスタの集積密度は24か月ごとに倍増、実際にその通りに推移していることがわかっており、このペースでいけば100年後には3500兆倍というとんでもない数値にまで進化することが予想できます。

ムーアの法則どおりにマイクロチップ上のトランジスタが増え続けた場合、2018年にはトランジスタの数は人間の脳の神経細胞の数を超えるといわれ、人間の脳に近い、いいえそれ以上の能力を発揮するコンピュータが開発できる可能性が高まります。

シンギュラリティ(技術的特異点)の到来です。

トランジスタと人間の脳を一緒にするなんて…と思う人もいるかもしれませんが、もともと人間の脳もシナプスのオン・オフによって情報処理をしているということを考えれば、トランジスタがそれと同じ役割を果たすこともあり得ない話ではありません。