レイ・カーツワイル

現実味を帯びるシンギュラリティ

近年、人工知能への注目が高まるとともに、徐々に現実味を帯びてきた「シンギュラリティ」というキーワードがあります。

シンギュラリティとは、日本語では「技術的特異点」と訳され、コンピュータや人工知能などの技術が人間の知能を上回り、社会的に大きな変化が訪れるであろうという時期を示します。

コンピュータや人工知能、AIなどが人間を上回る…というまるでSF映画のようなストーリーは、かつては絵空事のように思われていたものですが、たとえばコンピュータ囲碁プログラム「Alpha Go」によるコンピュータの勝利や、コミュニケーションがとれるロボットPepperのようなものが身近になっている現代では、まるっきり絵空事とは言い切れなくなっているでしょう。

 

カーツワイルの未来予測

シンギュラリティについて詳しく解説したものといえば、人工知能研究の世界的権威として知られるアメリカの発明家、レイ・カーツワイルが著した『The Singularity Is Near ;When Humans Transcend Biology(シンギュラリティは近い/人類が生命を超越するとき)』という本があげられます。

いまから10年以上も前に、まるでSF映画さながらの未来予測を描いたこの著書は、当時はあまり現実味を帯びて受け取られませんでした。

しかし現在カーツワイル氏は米Google社でAI開発の総指揮をとっており、人間の大脳新皮質をコンピュータシミュレーションするという「Neocortex Simulator」に取り組んでおり、にわかに注目を浴びるようになってきたのです。

ところで、カーツワイル氏によれば、シンギュラリティによって人間社会は大きく変わると予測されています。

人間の知能と同様、もしくはそれ以上の知能を持つAIは、汎用人工知能(AGI)と呼ばれますが、AGIが登場した場合、AGIは自らがAGIを生み出すことが可能となってしまうため、人間が制御することが不可能となってしまいます。

これこそがシンギュラリティによる変化であり、今人間が対策を考えるべき課題といえるのです。